【Amazonプライムビデオ】ドラッグ・アディクション-ヘロイン・ランド-

夫の生理は続いております。
夕方までプンスカしていた夫だが、夕方ヘアサロンにて散髪。夏らしくてスッキリした髪型になって帰って来た。
ヘアサロンのお兄さんがすごく上手に褒めてくださったようで、少し機嫌が良くなる。
ありがとう、ヘアサロンのお兄さん。カットもお上手です。

ヘロインのドキュメンタリーを見るぞ


空いた時間で1人でAmazonプライムビデオのドキュメンタリー
「ドラッグ・アディクション-ヘロイン・ランド-」を見ました。


私はこういうヒリヒリしたドキュメンタリーが大好き。陰惨であればあるほど好きです。
そういう「怖いもの見たさ」精神が強すぎると家族はいい顔をしないけど。

なかなかパンチのあるこのドキュメントのおかげで今日は一日中ヘロインのことを考えていました。(←危ない)
以下、感想と私が調べたことですが、絶対に正しいとは限りません。特に薬の情報は参考程度に。

ドラッグ・アディクション-ヘロイン・ランド-の概要

このドキュメンタリーはフィラデルフィア州のケンジントン通りにいるドラッグジャンキーの人たちの記録です。
ここは全米でも有名な場所でゾンビストリートと呼ばれています。
ヘロインジャンキーはヘロインのやりすぎで足腰にきたり平衡感覚を失うからゾンビっぽい動きになってしまうみたい。

最初はアルコールや鎮静薬の濫用で嫌なことを忘れる時間を作っていた人たちが、ハマってずるずると依存症の坂道を転がり落ち、ヘロインに引っかかります。
さらに転げ落ちる先はありません。あるとしたらオーバードーズでの死。

それでも彼らはドラッグを摂取し続けることをやめられません。
薬物依存から抜け出した人たちや、ケアスタッフがなんとか介入を試みるものの、なかなか一筋縄では行かなそう。

ジャンキーになる人は繊細な人なのかもしれない


このドキュメンタリーでは沢山のジャンキーが自分の胸の内をカメラの前で話します。
みんなヘロインのせいでちょっと様子はおかしいけど物腰柔らか&シャイで繊細そうな人たちなんだ。

自分が家族や友人を困らせて悲しませていることを良く知っています。
自己嫌悪で苦しんでいることもわかります。
桁外れのバカではないんです。

でもドラッグが切れたときはパニックになってその繊細さもぶっ飛んでしまいます。そして手に負えないクソ人間に…。

こんな嫌な負のループ、あるかい?

女性たちは物乞いをしたり、売春をしながら1日分のドラッグをなんとか手に入れています。ただでさえ治安が悪い場所で売春など危険すぎます。

男性は路上をうろつき1本1ドルで注射針を売ったり、ジャンキー彼女のヒモ状態なんですよね。

彼らは家族が援助した生活費や衣類すらドラッグの代金に換えてしまいます。


「本当はこんなことしたくない」
「こんな人生は望んでなかった」
と言いながらヘロインの注射針を静脈にぶっ刺す姿の凄さよ…。

本人たちももうハイになることを楽しんではいないように見えます。
やめたらとても苦痛だから続けないといけないというところに来ていて、止められないから苦しんでいるという感じ。

「教会に赤い靴はいけません」と言われたのに履いてきて踊り出したら止まらなくなるアンデルセンの童話を思い出しました。
あれは怖かった。

オピオイドとヘロイン

ここでちょっとヘロインと、最近よくニューストピックに上がるオピオイドについて調べたことをメモしておきます。

オピオイドはケシから化合されるアルカロイド系化合物全般を指し、パーコセット、フェンタニルオキシコドン、ヘロインなどが含まれます。

ヘロインは非合法、パーコセット、フェンタニルは医師のコントロール下で疼痛緩和のために使われるなら合法という違いはあります。

でも中国で作られた違法フェンタニルがメキシコルートから入っていてブラックマーケット化していて、結局処方箋外の薬物入手は違法なんじゃないかな。

そういえば2016年にプリンスが亡くなったのもフェンタニルの過剰摂取だったそうです。
「プリンスが死んじゃったの?なんで?」という驚きばかりで過剰摂取した薬物のことにまで関心を持たずにいたけれど、これなんですね。
プリンスの死がアメリカ全土を揺るがす大問題の序章だったとは…やっと点と点が線でつながりました。

ヘロインを含むオピオイドアメリ東海岸で大流行りしています。

出典:National Institute on Drug Abuse, “Opioid Summary by State,” https://www.drugabuse.gov/drug-topics/opioids/opioid-summaries-by-state accessed on July 30, 2021.

このドキュメンタリーではヘロインジャンキーが中心で他のオピオイドについてはサラッと触れられた程度だったけれど、オピオイド全体でも年間10万人が亡くなる大きな問題らしいです。

日本に住んでいると違いがよくわからないのだけれども、今回のヘロインジャンキーたちも「薬は入手が難しくヘロインは安価で手に入りやすい」と言っていたので、ヘロインはより下層のドラッグなのかな?

そもそもヘロインってそんなに安いの?
いまいちその辺の物価の感覚がないので「ほへー」という感じです。

彼らを立ち直らせるのは家族、らしいけど


このドキュメンタリーでは、ジャンキーがリハビリ施設に行くと決意させるために、家族が涙ながらに手紙を読んで治療を促すという手法が何度か出てきます。

ていうか、それしか方法がなさそうで、最後は「伝家の宝刀:家族の手紙」なんですよね。

多くの場合はジャンキーたちは手紙を朗読されると泣いて、急にいい子になっちゃう。

でも、「え?相手はジャンキーだぜ?そんなことで変わるかね?」と不審な気持ちになったのは正直なところでした。
その辺はちょっと番組の作為を感じるかな。

逆に…話を聞いてもいいと思えるまともな家族がいない人にはなかなかリハビリのきっかけは訪れないのかもしれません。

あとジャンキーが全員白人だったけど白人が陥りやすい何かがあるのかにも言及は無しでした。

相当覚悟を持って見ないとショック、でも良作

これ、日本の中学生の道徳の授業で見せたら良いと思います。これを見てぜひ薬物をやりたいという人はいないんじゃないかな。

子供の頃の私のアメリカのイメージは「雑だけど明るくて楽しそうな国」でした。でも明るいところがある分、闇の暗さも相当なものですね。


最後に、あの繊細で愛すべきニコールはクリーンで頑張ってる?のかな、今も。
https://psmag.com/social-justice/heroin-heartland
↑その後の様子がちょっとわかるインタビュー

こういう、大きくつまづいた人にもなんらかのチャンスがあるのもアメリカだなあと思いました。